Taigoの日記帳

会社嫌いであり、仕事嫌いです。個人的な考え事をのんびり日記に綴ります。(目標は一週間に一回更新)

セカ就! 世界で就職するという選択肢 (読書メモ)

 セカ就! 世界で就職するという選択肢を読んだ。

セカ就って何?と思うかもしれない。本書は世界を舞台にした就職活動をテーマとした本である。

著者である森山たつをさんがセカ就研究家として出会った人々からインタビューした内容をヒントにフィクションとしてまとめた短編集である。よって、ノンフィクションではない。

セカ就!  世界で就職するという選択肢

セカ就! 世界で就職するという選択肢

 

 

舞台は成長著しいアジアの国々

セカ就!の主人公たちが就職し活躍する舞台は成長著しいアジアの国々だ。マレーシア、タイ、シンガポール、香港など急速な発展を遂げている国々である。

主人公たちは留学経験等などがある英語強者でもない普通の学歴(と思われる)の人々であり、本書では海外での就職活動、仕事という未知の分野に取り組む中で戸惑いながらも成長していく姿が描かれている。

国が発展するダイナミズムの中で、仕事を頑張った分だけリターンがあり、自身の会社が発展していく様子も描かれている。この点では沈みかけの国で長時間労働に身をやつしてもなんらモチベーションもリターンも得られない日本という国とは真逆と言えるかもしれない。

 

日本では不遇の社畜or派遣社員でもセカ就では一流ビジネスパーソン

本書の主人公たちはブラック居酒屋の店長、貿易事務の派遣社員、大手家電IT部門のSE

など職歴も、職種もバラバラである。それぞれが日本での労働環境に不満を抱き、セカ就を決意する。

セカ就で問われるのは学歴や年齢、職場のポジションではない。「何ができるか?何をしてきたか?」である。それは、すぐに学歴や年齢を理由に人を弾いてしまう日本の職場とは違い、真の意味で実力主義でフェアなのかもしれない。

なかでも印象的だったのは、貿易事務の派遣として頑張っても非正規として不遇の境遇に甘んじていた女性がセカ就を境に正規雇用として職場で重要な役割を任されていくストーリーだった。これは仕事の要求水準が高すぎたり歪な雇用の考え方によって日本では不遇な人を多く発生させているという好例かもしれない。

実は、セカ就!で扱われている就職先はどれもが日本企業のアジア現地法人なのだ。日本人でしっかりとした業務履歴があれば誰もがチャンスを得られるという美味しい環境があるという点ではかなり魅力的じゃないだろうか。

 

経済面と生活面はどう?

 額面では日本の賃金の7割〜8割程度だが、アジア諸国の物価は安く日本の1/3〜1/2で物が買えるそうだ。そういう意味では日本よりゆとりのある生活ができるらしい。

ただし、言語も文化も宗教も違う国に行くのである程度の妥協と覚悟は必要みたいだ。

 

個人的な感想

セカ就は個人的に魅力的なのでやってみたいとは思うのだが住み慣れた日本を離れるのはちとつらい。何しろ両親や兄弟と言った足かせがあるというのはなんだかんだで弊害になりそうだ。

それと日本を離れて海外で暮らしているときの国民年金とかセカ就を終えて老後を日本で過ごすにはどうしたら良いかなどについての言及が無いので知りたくなった。

発展著しいアジアの国々と言えどバブル崩壊や移民規制などのカントリーリスクはなんだかんだで心配だ。本書では良い事がたくさん書かれているけどやっぱりリスクとはしっかり向き合っていかなきゃいけなんじゃないかなと思う。

 

最後に!

本書では海外の労働環境が紹介されている。それは日本と違い、定時で帰る。日本のようなホウレンソウなる物が存在しない。結果が出ないとクビになるなど興味深い内容だ。

そういう意味では日本の労働環境を見つめ直すきっかけになるのでセカ就を考えてない人にもオススメの一冊である。是非手に取って欲しい。

 

 

 

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