モバイルハウスという考え方 資本主義の常識と戦う知恵を持とう。
皆さんは自分の住まいにいくら払っているだろうか?
アパートならば一ヶ月○万円
ローンで家を買ったらならば一ヶ月○○万円の返済と言う具合ではないだろうか。
僕自身は一ヶ月の住居代は33,000円だ。
支払先は両親であり、実家居候の親のすねかじりの成せる技だということを白状しよう。ちなみに3,000円はネット代である。ちなみに12月から43,000円に値上げするつもりのようだ。
さて、一昨日に本屋さんで一冊の怪しげな書物に出会った。(怪しくないよ!!)
- 作者: 坂口恭平
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2013/08/21
- メディア: 新書
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モバイルハウス? ワッツ?何それ!?
三万円で家をつくる マジ!?本気!?
この本の著者である坂口恭平さんは建築家であり、作家でもある。
そんな彼は路上生活者の「家」を研究し、世の中に発表した第一人者である。
- 作者: 坂口恭平
- 出版社/メーカー: リトルモア
- 発売日: 2004/07/10
- メディア: ペーパーバック
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そうともあの有名な0円ハウスの著者である!
僕は高校生時代この本を友人と見て、めちゃくちゃ衝撃を受けた。
ソーラーパネルで電化してテレビ設置!設計図で間取りをデザイン!なんと!
当時ソーラーパネルを屋根に置く家などほとんど無い時代にこんな芸当をなしているとは想像もしなかった。しかも都市のゴミからそれらを創り出していることが信じられなかった。
そして0円ハウスの作者たちを都市のスーパーリサイクラーと呼んで敬意を持つべきだと友人と話した。
さて今日の一冊、『モバイルハウス 三万円で家をつくる』の感想をちょっとだけ書かせてもらおう。
本書は坂口さんが土地や不動産というものが一部の人間に所有され、「住む、生活する」という人間の基本的な行動にものすごい多額のコストがかかる現状に疑問を抱き、
もっと多様な「家」のあり方があっていいのではないかという考え方から始まる。
やがて、隅田川在住の鈴木さんから設計アドバイスを受け、さらに多摩川文明に暮らすロビンソンから手ほどきを受けながらモバイルハウスを作るのだ。しかも材料はホームセンターで買った木材や波形プラ板などの誰もが手に入れられるものばかり。ソーラーパネルを設置することで発電もできる優れものだ。
かくして完成したモバイルハウスにインフラを整備したり、実際に生活することで人間という動物が生きるうえでの「家=巣」とは何かという考えが生まれる。
小さな家に住み生きる事を考えたり、都市の恩恵を無料でゲットする様はまるでデイオゲネスを思わせる。
僕が読んで結構印象を受けた意見を何点かあげる。
・日本では家という言葉が持つ意味がとても狭い。それは多額の借金を背負って手に入れるか高い家賃を払うかのどちらかしかない。
・人間が生きるのに住む場所は必ず必要だから一部の人に占有されて、貧乏な人が生きられなくなるのはおかしい。土地とは公共の資産であるべきだ。
・35年ローンで借金を抱えてまでいつ起きるともわからない地震で崩れる脆い家を買う必要はあるのか?
・お金を払って自分で何もしないことは誰ともコミュニケーションせずに思考しないのと一緒。
こんな意見を読みながら、視点を変え消費することをやめ、お金を使わなくても人は結構豊かな生活を享受することができるんだなと思った。
0円ハウスには僕の知っているような労せずしてガス、水道が手に入る便利さはないけれど、自分で獲得したものによって生活する狩猟能力を鍛えてくれる。それはある意味で停電して速攻でパニックなる都会人たちへの戒めにも思えた。
僕自身は会社でも家庭でも、「家を買うために貯金しろ〜」「ローンを払うのは大変だぞ〜〜!」と日々脅されてビビっていた。
でも、その一方でなんで何千万円も借金して家を買ってそれのために一生の大半を使って借金返済マシンとして働かなきゃいけなんだーーーー!とか思っていた。
住処のローン返済のために何人もの人が社畜として会社に縛られる時代、
会社をクビになったらローンが返済できずに自殺してしまう人さえいる。
この本ではモバイルハウスビレッジという構想や無料で住む事ができる零山という夢のようなプロジェクトが語られる。無料で借りれる土地や家を自分たちの領土として統治をしようというZero Publicというプロジェクトもとても興味深い
住まいへの考え方をかえるだけで僕たちの生活はもっと多様性があって豊かに社会にかわるんじゃないだろうか?
この本は「住まい」から出発して「自分自身で考えて行動し、たくましく生きていくライフスタイル」を考えさせてくれる一冊だと僕は思う。
「何千万円も借金して家を買ってそれのために一生の大半を使って借金返済マシンとして働かなきゃいけなんだーーーー!」って考えたことある人は是非立ち読みでも良いので手に取ってみて欲しい。
もう、既に家を建てちゃった人にもお勧めである。モバイルハウスを日曜大工で作って子供と遊ぶ事もできるだろうし、都市型狩猟採集生活を日常生活に織り込む事で家庭のランニングコスト削減にもつながるかもしれない。
じゃ、おやすみなさい (−ω−)ノシ
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