仕事に学歴は関係ないという危険思想
仕事に学歴は関係ない!(ドヤ顔 )という通説
仕事に学歴は関係ないという説得力があるようで無いような精神論を時々耳にする。
ポジティブな意味では学歴や学部学科にとらわれずいろんな事に挑戦できるという意味である。しかしながらネガティブに作用してしまうと人に不幸をもたらす通説でもあるということを今日は述べたい。僕自身はこの世に生まれて約四半世紀、この通説について次の二つのシチュエーションで体験した。
・就職活動のとき
・会社での仕事のとき
就職活動のとき
就職活動中に多くの学生が気にかける話題に会社の採用に大学のランクが影響するのではないかということである。いわゆる学歴フィルター問題だ。
僕自身も就活中はそんなにたいした大学に通っていなかったうえに文学部のため学歴についていろいろと心配していたのだが、いろんな企業の採用要項の学部学科不問という怪しい妖気を垂れ流す言葉を信じて多くの企業の選考を受けた。
しかしなが行ってみるとなぜかランクの高い大学の学生ばかりが集まっていたり、学部が偏っていたりと採用要項とかけ離れた事をやっている会社があったと記憶している。
就活中に言われる仕事に学歴は関係ないとか学部学科不問というのはだいたいの会社は正直なことを言っているがなかには嘘をついている会社もちょっとだけ混じっていると言えよう。
また学歴や学科という言葉自体、言い手にとって定義や考え方が異なるあやふやな表現であると言える。受けるにあたって学科は問わないが採用にあたって加味する材料となる。など好きなように味付けができることに注意が必要だ。
この言葉は就活にあたってエントリーしやすくしてくれる言葉であると同時に採用側にとっては学生を広義で選り好み可能にしてくれる言葉でもあるんじゃないかと僕は思っている。
会社での仕事のとき
僕が今いる会社では高卒、高専卒、短大卒、大卒、院卒など様々な学歴の人が働いている。昇進にあたっては学歴は考慮されないので高卒の役員や管理職も結構居る。
僕自身が大学生だったころは学歴=大学のランクと思い込んでしまていたせいか、就職してから学歴=学校の履歴という認識に改まったことは結構大きな学びだった。
職場では僕の周りに高卒や短大卒の人はたくさんいる。もちろん何処の学校を出ていようと仕事のできる人は普通に頼れる存在であるし、仕事のできぬ人は頼れない存在だ。
ただちょっと気になった事がある。高卒の管理職や短大卒の人が時々、あいつは良い大学出てやがるのに全く使えねえ!とか言っているのを聞いた時だ。特に名の知れた国立大学出身で仕事が苦手な人はそういう陰口のターゲットになりやすい。
普段から仕事に学歴は関係ない!と言っている人達がなぜか仕事ができない高学歴を見つけるとココイチとばかりに批判しているのを見ると見事な言行不一致だなあと思ってしまう。
そういう意味では仕事に学歴は関係ないという言葉は使う人のさじ加減で誰かを批判するのにも褒めるのにも使えるマルチな表現だと言えるんじゃ無いだろうか。
甘い言葉に要注意
仕事に学歴は関係ないと言う言葉を採用で大きな声で謳っている会社はとくに注意が必要だ。実際に学歴など関係ない仕事が山ほど転がっていてブラックなんてことも十分に考えられる。お客の御用聞きの奴隷だったり、上司の奴隷だったり...
気合いとガッツしか求めていないブラック飲食店では確かに必要ないだろう。
なので仕事に学歴は関係ないとか変なことを言っている人を見かけたときはその人の考えている裏側を読むようにしよう。
そもそも本当に仕事に学歴が関係ないなら当たり前すぎてわざわざ言う事なんてないんだから。
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